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2012年 05月 09日
先ず、鉄の話を観て下さい。
2012年5月8日AM10:00頃 とある旧車屋に査定依頼の電話を入れた。 KAWASAKI400SSを売る為だ。 電話の向こうで『あんまり良い値段は付けられないと思う。』という旨の言葉を聞いた。 でも、他の業者よりは高く買ってくれそうだと思いとりあえず来てもらう事にした。 2012年5月8日AM11:30頃 旧車屋の男がKAWASAKI400SSを査定しに来た。 彼は私のSSを見た瞬間、少年の様に目を輝かせ『いいっすねー』と言い査定を始めた。 彼『手放しちゃうんですか?』 私『本当は売りたくないんだけど・・・・』 彼『ですよねー。こんな良い車両滅多に無いですよ。オレが欲しいくらいですよ。どうして手放しちゃうんですか?』 私『もう維持が出来なくなちゃって・・・・・』 彼『金銭的なりゆうですかぁ・・・・・』 なぜか二人とも残念そうに話をしながら査定は進んでいった。 そして何故彼は商売として旧車を扱っているのに残念そうな表情を浮かべていたのか? 彼の言葉をまとめてみます。(勝手に彼目線にしました) 『旧車が好きで旧車屋に就職してみて思う事。先ずお客さんに対して思うんだけど、ウチの殆どの客は金銭的に余裕のある人たちなんだ。そして、ここ数年雑誌等のメディアでは『この旧車はこんなに価値があるモノだ』と煽る。だから商売として成り立っているんだ。中には族車にしちゃう若いヤツらも居るけど、客は客だし商売だし・・・・と、こんな事言ってもしょうがないけどね。現在価値があるとされているモノだってちょっと前までは誰も見向きもしない鉄屑だったしね。いくら高額な旧車でも、性能的には今のバイクには敵わないし・・・・じゃあなんで旧車がいいの?って、結局『思い入れ』でしかないんだよね。そう『思い入れ』・・・・・それは金銭的な価値とは違う精神的なモノだと思う。わかるヤツにしかわからない気持ちね。だから、もしこのSSを買い取ったとしてもオレは商品として売りたくないよ。他にいっぱいバイクがあるんだから、このSSを商売の為に売る必要なんて無いと思うんだ。ずっと店に置いときたい。もし売るなら価格をASKにして、わかる人に買ってもらいたい。或はオレが買いたい程だよ。オレはあなたの気持ちが痛い程わかるよ。手放したくない気持ちわかるよ。』 といった内様だ。 内心『これが営業トークだったら、こいつたいしたもんだな』と思いつつ聞き入ってしまった。 しかし、多分彼は本当にカワサキトリプルが好きなんだと思う。だから、どうせ手放すならオレに売ってくれって事が言いたかったのだろう。そして彼はこうとも言っていた。 『オレは安月給のただの会社員で最終的に価格を決めるのはオレじゃなく社の上の人だけど、なんとか少しでも良い値段を付けてもらう様に掛け合ってみる。この伝え方次第で金額は結構変わっちゃうから』 と、会社に連絡をしていた。 で、もどってきて 彼『20・・前半でどうですか?』 渋るオレ 彼『買取り金額じゃなく下取り金額って事にしても、25・・・まぁ会社には嘘つく事になっちゃうけど・・・』 私『しょーがねーよなぁ・・・・』 と、そこで思い出したのが『鉄の話』だった。 ちょっと前まで全く価値のなかった鉄のかたまりも、おかねも、旧車屋も、オレも、ちきゅうも、オレのこの気持ちも、彼の言葉も、宇宙にとっては単なる鉄の材料でしかないんだよなぁ。 好きなアイドルも、嫌いな政治家も、徹子も、海も山も空も雲も、遠くの遠くの観た事無い星たちも・・・・ みんな鉄の子供達なんだ。 そして、因果鉄道の旅はまだまだ続く・・・・・・・ #
by zyasinkai
| 2012-05-09 13:57
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